ビジネスローンとカードローンの違い|事業資金に使えるのはどっち?

事業資金が不足したとき、「ビジネスローンとカードローンのどちらを使えばよいのか」と迷う方もいるでしょう。

両者は、必要なときに借り入れできるという点では似ています。しかし、対象者や利用目的、審査で確認される内容などに違いがあります。

特に注意したいのが、個人向けカードローンの資金使途です。「使い道自由」と案内されていても、事業資金への利用が除外されている商品があります。

この記事では、ビジネスローンとカードローンの違いを比較し、事業資金を調達するときにどちらを選ぶべきか解説します。

目次

  1. ビジネスローンとカードローンの違い
  2. ビジネスローンとは
  3. カードローンとは
  4. ビジネスローンとカードローンの7つの違い
  5. 個人向けカードローンを事業資金に使えるのか
  6. 個人事業主が借りる場合の総量規制
  7. 事業資金に個人向けカードローンを使うリスク
  8. ビジネスローンが適しているケース
  9. カードローンが適しているケース
  10. 申し込み前に確認するポイント
  11. ビジネスローン以外の資金調達方法
  12. よくある質問
  13. まとめ

ビジネスローンとカードローンの違い

結論からいうと、事業資金を借りる場合は、資金使途として「事業資金」が明記されたビジネスローンを選ぶのが基本です。

一般的な個人向けカードローンは、生活費や急な出費など個人利用を想定しています。資金使途が原則自由とされていても、事業資金への利用が除外されている場合があります。

一方、ビジネスローンは、運転資金や設備資金などに利用することを前提とした事業者向け融資です。

両者の主な違いは次のとおりです。

比較項目ビジネスローン個人向けカードローン
主な対象者法人・個人事業主個人
主な利用目的運転資金・設備資金など生活費・個人的な支出など
事業資金への利用原則として可能禁止されている商品がある
審査対象事業状況・返済能力・信用情報など本人の収入・返済能力・信用情報など
必要書類決算書・確定申告書・事業計画書など本人確認書類・収入証明書など
借入方法一括融資または限度額内での反復利用限度額内での反復利用が中心
総量規制商品・金融機関・申込者によって異なる貸金業者の商品は原則対象

なお、「ビジネスカードローン」「事業者向けカードローン」と呼ばれる商品もあります。名称にカードローンと付いていても、事業資金への利用を認めている事業者向け商品であれば、一般的な個人向けカードローンとは別の商品です。

商品の名称だけで判断せず、対象者と資金使途を確認することが重要です。

ビジネスローンとは

ビジネスローンとは、法人や個人事業主が事業資金を調達するための融資商品です。

主に次のような用途に利用されます。

  • 商品や原材料の仕入れ
  • 従業員への給与支払い
  • 家賃や外注費の支払い
  • 税金や社会保険料の支払い
  • 広告費や販売促進費
  • 機械や車両などの設備購入
  • 売掛金が入金されるまでのつなぎ資金

ビジネスローンは、銀行だけでなく、信販会社や消費者金融なども提供しています。金融機関によって、審査方法、融資限度額、金利、必要書類、融資までの時間が異なります。

銀行融資との詳しい違いは、以下の記事で解説しています。

→ ビジネスローンと銀行融資の違い|どちらを選ぶべきか

ビジネスローンの申込前に準備すべき書類や、審査で確認される項目は「ビジネスローンの審査で見られるポイント7選」で詳しく解説しています。

カードローンとは

一般的なカードローンは、個人を対象とした融資商品です。

契約時に設定された利用限度額の範囲内であれば、ATMや振込などを利用して借り入れと返済を繰り返せる商品が多く見られます。

担保や保証人を必要としない商品が一般的ですが、その分、申込者本人の収入、他社借入、返済状況、信用情報などが審査されます。

注意したいのは、資金使途です。

三菱UFJ銀行のカードローン「バンクイック」では、資金使途について事業性資金を除くと案内されています。また、三井住友銀行もカードローンを個人向け融資と説明し、資金使途から事業性資金を除外しています。

したがって、「使い道自由」という言葉だけを見て、事業資金に使えると判断してはいけません。必ず商品説明書や契約規定を確認してください。

ビジネスローンとカードローンの7つの違い

1.利用目的

最も大きな違いは利用目的です。

ビジネスローンは、運転資金や設備資金などの事業資金を借りるための商品です。

一方、個人向けカードローンは、個人的な支出を想定した商品です。事業資金への利用が明確に禁止されている場合があります。

事業資金として借りる場合は、次のような記載がある商品を選びましょう。

  • 事業資金に利用可能
  • 法人・個人事業主が対象
  • 運転資金または設備資金に利用可能
  • 事業者向けローン
  • ビジネスカードローン

2.利用できる人

ビジネスローンの対象者は、主に法人と個人事業主です。

商品によっては、法人専用、個人事業主専用、または両方に対応している場合があります。

個人向けカードローンは、原則として個人が契約します。法人名義での申し込みには対応していません。

個人事業主は個人としてカードローンへ申し込めることがありますが、それだけで事業資金に使えるとは限りません。

3.審査で確認される内容

ビジネスローンでは、申込者の信用情報だけでなく、事業の状況も審査されます。

一般的には、次のような項目が確認されます。

  • 売上や利益の推移
  • 現在の借入状況
  • 税金の納付状況
  • 資金の使い道
  • 返済原資
  • 事業の継続性
  • 代表者の信用情報

個人向けカードローンでは、本人の安定収入、勤務状況、他社借入、返済履歴などが中心になります。

ただし、具体的な審査基準は金融機関ごとに異なり、通常は公開されていません。

4.必要書類

ビジネスローンでは、本人確認書類に加えて、事業に関する書類を求められる場合があります。

法人の場合は、次のような書類が代表的です。

  • 決算書
  • 法人の履歴事項全部証明書
  • 納税証明書
  • 資金繰り表
  • 事業計画書
  • 借入金一覧表

個人事業主の場合は、確定申告書、青色申告決算書、収支内訳書、納税証明書などが必要になることがあります。

個人向けカードローンでは、本人確認書類と収入証明書が中心です。ただし、借入希望額や審査状況によって追加書類を求められることがあります。

現在の借入状況を整理するときは、以下の借入金一覧表をご利用ください。

→ 借入金一覧表の作り方|銀行提出用テンプレートと記入例

5.借入方法

カードローンは、利用限度額の範囲内で借り入れと返済を繰り返せる商品が中心です。

ビジネスローンには、契約時に決められた金額を一括で受け取る証書貸付型と、限度額内で反復利用できるカードローン型があります。

短期間の資金不足を何度も補うために反復利用すると、借入残高が減りにくくなる可能性があります。

「返済すると再び借りられる」という状態を安心材料にするのではなく、資金不足が発生している原因も確認しましょう。

6.金利と利用限度額

金利と利用限度額は、金融機関や商品、審査結果によって異なります。

一般的に、無担保で審査や融資が比較的速い商品は、銀行の事業融資より金利が高くなる傾向があります。ただし、ビジネスローンとカードローンのどちらが必ず低金利になるとは限りません。

比較するときは、最低金利だけでなく、次の項目を確認してください。

  • 自分に適用される金利
  • 借入金額
  • 毎月の返済額
  • 返済期間
  • 元利均等返済か元金均等返済か
  • 事務手数料や印紙代
  • 繰上返済手数料
  • 遅延損害金

必要以上に借りないためには、先に運転資金の必要額を計算しておくことが重要です。

→ 運転資金はいくら必要?計算方法と不足額の考え方

7.総量規制

貸金業者から個人が借りる場合は、原則として貸金業法の総量規制が適用され、借入残高が年収の3分の1を超える新規借り入れは制限されます。

一方、銀行、信用金庫、信用組合などからの借り入れは、貸金業法上の総量規制の対象外です。

ただし、「総量規制の対象外なら必ず借りられる」という意味ではありません。金融機関は独自に返済能力を審査します。

また、個人事業主が貸金業者から事業資金を借りる場合でも、事業計画や収支計画、資金計画などを提出し、返済能力が認められれば、総量規制の例外として扱われることがあります。

個人向けカードローンを事業資金に使えるのか

個人向けカードローンを事業資金に使えるかどうかは、商品の契約条件によって決まります。

次のように事業資金が除外されている商品は、事業目的で利用できません。

  • 資金使途自由。ただし事業性資金を除く
  • 個人の消費性資金に限る
  • 事業目的での利用不可
  • 法人への転貸不可

申込画面に「使い道自由」と書かれていても、注釈や商品説明書に例外が記載されていることがあります。

不明な場合は、申し込む前に金融機関へ「個人事業の運転資金に利用できるか」と確認してください。

事業資金として利用できる商品を探す場合は、一般的な個人向けカードローンではなく、ビジネスローンまたは事業者向けカードローンを選びましょう。

個人事業主が借りる場合の総量規制

個人事業主が借りる場合は、次の3点を分けて考える必要があります。

  1. どの金融機関から借りるのか
  2. 個人向け商品か事業者向け商品か
  3. 生活資金か事業資金か

銀行からの借り入れは、貸金業法上の総量規制の対象外です。

消費者金融や信販会社などの貸金業者から個人として借りる場合は、原則として総量規制の対象になります。

一方、個人事業主向けの事業資金融資については、事業計画、収支計画、資金計画などから返済能力が認められれば、総量規制の例外になる場合があります。

ただし、例外に該当するかどうかは金融機関の審査によって決まります。希望すれば必ず年収の3分の1を超えて借りられる制度ではありません。

事業資金に個人向けカードローンを使うリスク

契約違反になる可能性がある

事業性資金への利用が禁止されたカードローンを事業に使うと、契約条件に違反する可能性があります。

利用停止や一括返済などの対応については契約内容によって異なりますが、禁止されている用途には使用しないことが原則です。

資金使途の説明が難しくなる

将来、銀行融資へ申し込むときには、現在の借入内容や使い道について説明を求められることがあります。

個人向けカードローンを事業資金に流用していると、生活資金と事業資金の区別が分かりにくくなります。

事業用の借り入れは、事業用口座で管理し、契約書や返済予定表も保管しておきましょう。

高金利の借り入れが長期化する

一時的な資金不足をカードローンで補い続けると、借入残高が減らず、利息負担が長期化する可能性があります。

毎月返済できていても、返済後に同じ金額を再び借りている場合は、資金繰りが改善しているとはいえません。

根本的な資金繰り改善が遅れる

資金不足の原因が赤字、過大在庫、売掛金の回収遅れ、借入返済額の増加などにある場合、借り入れだけでは根本的な解決になりません。

ビジネスローンを利用する場合にも、デメリットを理解したうえで返済計画を立てる必要があります。

→ ビジネスローンのデメリット7選|利用前に確認すべき注意点

ビジネスローンが適しているケース

次のような場合は、事業資金への利用が明記されたビジネスローンが候補になります。

  • 仕入れ代金の支払日が近い
  • 売掛金の入金まで一時的に資金が不足する
  • 急な設備修理が必要になった
  • 繁忙期に向けて在庫を確保したい
  • 銀行融資の実行まで時間がかかる
  • 法人または個人事業主として借りたい
  • 資金の使い道を明確に説明できる

ただし、融資の速さだけで決めるのは避けましょう。

借入金額、金利、返済期間、毎月返済額を確認し、返済後も事業に必要な現金が残るかを計算してください。

カードローンが適しているケース

一般的な個人向けカードローンは、契約上認められた個人的な用途に利用する商品です。

例えば、生活上の急な支出などが対象になります。ただし、具体的に利用できる用途は商品ごとに異なります。

事業を営んでいる方であっても、個人向けカードローンを事業資金に使えるとは限りません。

生活資金と事業資金の両方が不足している場合は、借り入れの目的を混同せず、それぞれの支出と不足額を分けて確認しましょう。

申し込み前に確認するポイント

ビジネスローンやカードローンへ申し込む前に、次の項目を確認してください。

資金使途

事業資金への利用が認められているかを、公式サイトだけでなく商品説明書や契約規定でも確認します。

必要額

「借りられる金額」ではなく「返済できる必要額」を基準にします。税金、給与、仕入れなど、支払先と支払日まで整理しましょう。

返済原資

売掛金の入金、毎月の営業利益、経費削減による余剰資金など、何を原資に返済するのかを明確にします。

毎月返済額

売上ではなく、仕入れや人件費、税金などを支払った後の資金から返済できるか確認します。

総返済額

金利だけでなく、返済期間を含めた総返済額を確認します。返済期間を長くすると毎月返済額は抑えられますが、利息負担が増えることがあります。

既存借入

借入先、残高、金利、毎月返済額、最終返済日を一覧にします。複数の借り入れがある場合は、新規融資後の返済総額を計算してください。

他の調達方法

銀行融資、日本政策金融公庫の融資、信用保証協会付き融資、ファクタリングなども比較します。

ビジネスローン以外の資金調達方法

銀行融資

ビジネスローンより審査に時間がかかる場合がありますが、長期の運転資金や設備資金を調達する選択肢になります。

将来の資金需要が分かっている場合は、資金不足が深刻になる前に相談しましょう。

日本政策金融公庫の融資

創業者や小規模事業者も検討できる公的融資です。事業計画や資金使途、返済可能性などが確認されます。

制度や条件は変更されることがあるため、申し込み時点の公式情報を確認してください。

信用保証協会付き融資

信用保証協会の保証を付けて、銀行や信用金庫などから借りる方法です。

自治体の制度融資が利用できる場合もあります。地域や制度によって条件が異なるため、金融機関、自治体、信用保証協会へ確認してください。

ファクタリング

売掛債権を売却して、入金期日前に資金化する方法です。借り入れではないため、融資とは仕組みが異なります。

一方で、手数料が発生し、契約内容によっては資金繰りへの負担が大きくなる可能性があります。

→ ファクタリングとは?仕組み・メリット・注意点を解説

よくある質問

ビジネスローンとカードローンは同じものですか?

同じではありません。

一般的なビジネスローンは法人や個人事業主の事業資金を対象とし、個人向けカードローンは個人利用を対象としています。

ただし、限度額内で繰り返し借りられる「ビジネスカードローン」もあるため、商品名ではなく対象者と資金使途を確認してください。

カードローンは使い道自由ではないのですか?

原則自由と案内されていても、事業資金が除外されている商品があります。

「使い道自由」という部分だけで判断せず、商品説明書に「事業性資金を除く」などの記載がないか確認してください。

個人事業主なら個人向けカードローンを事業に使えますか?

個人事業主であることだけを理由に、事業資金への利用が認められるわけではありません。

事業資金への利用が禁止されている商品は使用せず、ビジネスローンまたは事業者向けカードローンを選びましょう。

ビジネスローンは総量規制の対象外ですか?

一律には判断できません。

銀行による融資は貸金業法上の総量規制の対象外です。貸金業者から個人事業主が事業資金を借りる場合は、一定の条件を満たすことで総量規制の例外になることがあります。

金融機関の種類、申込者、商品内容によって扱いが異なるため、申し込み先へ確認してください。

審査が早い方を選んでもよいですか?

資金が必要な期日に間に合うかは重要ですが、融資の速さだけで決めるのは危険です。

金利、手数料、毎月返済額、総返済額、資金使途、繰上返済条件なども比較してください。

ビジネスローンで借りたことは銀行に分かりますか?

融資審査では、決算書、確定申告書、通帳、信用情報、借入金一覧などから既存借入を確認される場合があります。

借り入れを隠すのではなく、借入理由、現在残高、返済計画を説明できる状態にしておくことが重要です。

まとめ

ビジネスローンとカードローンは、対象者や利用目的、審査内容などが異なります。

事業資金を調達する場合は、資金使途として事業資金が認められたビジネスローンや事業者向けカードローンを選ぶのが基本です。

一般的な個人向けカードローンは、使い道が原則自由とされていても、事業性資金が除外されていることがあります。

申し込み前には、次の点を確認しましょう。

  • 事業資金への利用が認められているか
  • 必要額と利用目的が明確になっているか
  • 毎月の返済額を無理なく支払えるか
  • 金利だけでなく総返済額を確認したか
  • 銀行融資など他の方法と比較したか
  • 返済後に再び借りる計画になっていないか

借りやすさだけで判断せず、資金が不足した原因と返済原資を整理したうえで、自社に合った調達方法を選ぶことが大切です。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品への申し込みを推奨するものではありません。商品内容や審査基準、法令上の取扱いは変更される場合があります。契約前に金融機関の公式情報と契約条件をご確認ください。

参考文献・公式情報

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